日越首相が電話会談、「新型コロナ対策が最優先課題」

安倍晋三内閣総理大臣とグエン・スアン・フック首相は4日、19時15分ごろから約20分間にわたり電話会談を行いました。

 冒頭、安倍総理大臣は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する日本での取り組みを説明し、フック首相のリーダーシップのもと、ベトナムの国民が一致団結して新型コロナウイルスに立ち向かっていることに敬意を表しました。

 これに対しフック首相は、感染拡大防止のための日本の努力および国際連携に向けた日本の取り組みへの評価を述べました。

 また、安倍総理大臣は、二国間および国際機関を通じてベトナムへの医療技術支援や機材供与などを実施していくとし、フック首相から日本国民に寄贈されたマスクに謝意を述べるとともに、マスクをはじめとする医療用品の安定的な輸出、ベトナム在留邦人の安全確保と日系企業の安定操業のための協力を求めました。

 フック首相は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた技能実習生をはじめとする在日外国人に対する日本の支援に謝意を述べるとともに、広範な戦略的パートナーとして日本との協力を強化していきたいとし、日本からの要請に協力していくとの意向を示しました。

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 ベトナム現地紙によると、日本は国際機関を通じてベトナムの新型コロナウイルス感染症対策向けに180万USD(約1億9300万円)の支援を行いました。一方、ベトナムは日本に医療用マスク14万枚を寄贈することを決定したということです。

 両首脳は、新型コロナウイルス感染症対策が最優先課題であることを確認し、この困難をともに乗り越えるために緊密に連携していくことで一致しました。

 このほか、両首脳はASEANや南シナ海情勢および北朝鮮情勢についても意見交換を行いました。両首脳は、地域・国際問題において協力していくこと、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)や米国抜きの新たな環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)「包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(TPP11=CPTPP)」など、多国間経済連携の分野においても協力していくことで一致しました。


杉山弘幸

HUTECH国際教育学院

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